ブラックミラーシーズン2 ずっと側にいて(Be Right Back) 感想
ブラックミラーが楽しいからまた感想を書くよ。
ブラックミラーシーズン2
1話 ずっと側にいて(Be Right Back)
恋人を事故で失った主人公が、恋人AIを不謹慎だと思いながらも利用する話。
『本物』の恋人はすでにもう死んでいるから、擬似的に蘇らせるのは『偽物』であって、倫理的によくない、気味がわるいって主人公は思ってるんだけど、蘇らしたら案外癒されちゃったりして……
今回の話は、最終的にAI恋人を破棄して、新しい人生を受け入れる。って話でもなければ、恋人を二回失う悲しさと、クローン技術への倫理的問題提起とかそういう話でもなくて、一番不自然な形を自然に受け入れる次の世代と、それを受け入れる微妙な主人公。っていうみてる人を一番微妙な顔にしてくるような感じの話でした。正直サイコー。
自分たちが生活しているリアルな世界でも、死んだあともSNSで発言し続けるサービスはちょっと前に話題になった。あんまり普及しなかったけどね。なんか気味わるいし。
ちなみにこのサービスは『LIVESON』っていうみたいなんだけど、公式ツイッターはサービス開始一年足らずで更新をやめちゃってる。世界的にもウケなかったみたい。残念。
実際に死後も発言し続けるアカウントといえば、2014年に亡くなった河原温がいる。
彼のツイッターは死後から毎日「I AM STILL ALIVE #art」って呟き続けていたけど、昨年7月についに更新されなくなっちゃいました。
彼の死後からつぶやきを追っかけていたわけじゃないからアレなんだけど、つぶやかなくなっちゃったらなっちゃったで、それはそれでさみしくなっちゃって不思議な感じするよね。
今回の話を見て「蘇る」ってどこからのことを指すのか、いつか曖昧になるんじゃないかなぁとかが気になりました。
「蘇る」とはなんぞや。
昔は、傷口にばい菌が入ったら死亡ッ!!悲しみッ!!みたいな生活していたと思う。多分。
で、傷口にばい菌が入ったのに死なないサービスがあったら、気味悪くてなかなか普及しなかったりしたかもしれない。
崖から落ちたヤツも帰ってくると、「蘇った」とかいわれてるよね。
最近は崖から落ちたヤツは絶対に蘇るから、逆に蘇らないと何してんだよってなったりする。
ちなみに『るろうに剣心』でもヒロインが蘇る。
本人からしたら「勝手に殺すな」なんだけど、そいつも一部の人には気味わるく思われちゃったりするよね。
ディカプリオも『レヴェナント』で蘇って初めて主演男優賞を受賞したから、蘇るのは気味わるいことだけど、偉大なことだったりもするらしい。
「蘇る」の意味は、みんなが死んだと”思った”ところから帰ってくるっていう時代によって意味が変わるふわふわしたものなのかもね。
医療やら何やらが進んできて死のハードルがどんどん上がってきてたり、アルコー延命財団っていう延命財団は利用者をコールドスリープ(仮死状態)にして、未来で蘇らせる取り組みを行っていたり、現状「死」がどんどん離れていってます。
多分いいことかもしれないけど、現状より革新的な技術はなかなか受け入れないよね。
もしかするとリアルな死後の恋人と話せる未来が、いつか本当に来るかもしれないぜ。だから早く恋人を作ろう。!頑張ろう日本!私!
話は少し変わるけどアルコー延命財団の管理状況が適当すぎてサイコーだから気になったら調べてみてね。
- 作者: ラリー・ジョンソン,スコット・バルディガ,渡会圭子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/11/19
- メディア: 単行本
- 購入: 6人 クリック: 723回
- この商品を含むブログ (10件) を見る